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咀嚼をやめる原因と咀嚼をやめると起きる問題

「高齢期には咀嚼はやめてもいけない、やめさせてもいけない。
それは致命的なことです。
にもかかわらず高齢者医療の現場、高齢者介護の現場では日常的に起きています。
ことの重大さをほとんど告げられないまま。

■ 咀嚼をやめる原因
「噛めない」「噛まない」「やわらかい食事」が口腔機能を衰えさせ、誤嚥を招いていること、その大きな原因の一つが「噛めない入れ歯」であることは「噛めない入れ歯が誤嚥につながる」のページにあります。
「噛めない入れ歯」は口腔機能を低下させ、それが栄養摂取の障害となり、ともに語らい食事をするという「社会性」にまで影を落とし心身の活動低下を招きます。
「噛めない入れ歯」は口腔機能低下を起こす代表例ですが、原因は他にもあります。 高齢者介護の現場ではムセが多くなると普通の食事から柔らかい食事にすることがあります。この対処は間違いです。ムセるほんとうの原因を見つけなければなりません。食事の姿勢、食事介助の方法にも原因があるかもしれません。食事の咀嚼に問題があるかもしれません。真の原因を見過ごして口腔機能を低下させる柔らかい食事にすることは火に油を注ぐことになります。

お正月には餅を喉につまらせて窒息死する事故が起きます。こんな窒息事故を恐れて柔らかい食事にすることも高齢期にはありそうなことです。この窒息事故は咀嚼が十分に行われないために起きていることが多いのですが、咀嚼が十分に行われない、その原因を調べてそれに対処する方法を考えなければなりません。なのに、窒息事故を恐れて咀嚼力を低下させる柔らかい食事にするのは間違いです。「しっかり噛むんですよ」と声掛けして見守ることが対処の一つです。咀嚼が十分にできない口腔の問題があるのかもしれません。そうであれば歯科医師へ相談することが正しい対処法です。
長いあいだ流動食になっていたお年寄りがおられました。その方に義歯調整をして噛めるようになったと普通の食事にしました。最初に口に入れたのが好きだったハンバーグです。それを噛まずに飲み込んだのです。喉につまらせるのを見て慌ててそばにいた人が背中を叩いて口から出させました。
長いあいだ咀嚼しないで柔らかい食事を舌で潰して飲み込んだり、流動食を飲み込む、そんな食事が長期に続くと咀嚼することを忘れてすぐに飲み込もうとします。このときは「しっかり噛んで下さい。一口30回噛むんですよ」と声掛けして見守り咀嚼ができていることを確認することが正しい対処法です。多くの場合3~4日も見守りを続ければ咀嚼を思い出し問題なく食事ができるようになります。

■ 咀嚼をやめると起きる問題
安全にしっかり食べてもらおうと良かれと思ってする食事形態の変更が口腔機能の低下、オーラルフレイルに、そして全身のフレイルにつながり、介護が必要になります。そこでオーラルフレイルが介護予防の上で見逃せない問題になっています。
柔らかい食事で噛む機会を少なくしたり、噛むことをやめたりすることがながく続くことでオーラルフレイルにとどまらず、認知症や要介護の進行、そして、誤嚥性肺炎を招き寝たきりに至るきっかけになっています。
一方「噛めない入れ歯」を「噛める入れ歯」にする義歯調整はオーラルフレイルから健康な口腔に戻すことはもちろん、認知症や寝たきりからも脱出し、もとの健康な状態に戻ることを可能にしています。このことは「改善事例の紹介」のページにあります。
「噛める入れ歯」にする義歯調整は咀嚼をやめることで起きる問題と咀嚼を取り戻すことでその問題を解消できることを私たちに教えてくれています。

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前歯でも噛める入れ歯研究会(まえかめ)

「前歯でも噛める入れ歯研究会(まえかめ)」は、河原英雄歯科医師が導き出した義歯調整法の普及と研鑽のために立ち上げられた会で、河原医師から義歯調整法を学び、実践している歯科医師や歯科技工士たちによって運営されています。2018年8月、本会において「自立支援歯科学」を立ち上げました。
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